「言語聴覚療法は,評価に始まり,評価に終わる」と誰が述べたか不明だが,その訓辞は今も語り継がれている。そのため「評価なんぞ,すべて覚えて当然だ」という考えがいまだに続いている。この思考は,21世紀の臨床・実習に即しているのか?自信のない評価を行うほうが,大問題だ。覚えていなければ,サッと確認し,キチッと評価できたほうが,その後の治療等へスムーズに介入できるのではないだろうか。 この問題を解決する手段として,①いつもポケットに持ち歩けて,②困った時に手が届き,③すぐにポイントとコツがわかる,をコンセプトに生まれたのが本書である。特に項目の選定には,良く遭遇する疾患を想定し,多角的な視点から絞り込み導いた評価200を厳選。早速ポケットに忍ばせ,目まぐるしく回る現場でぜひ活用してほしい。